★ Book Smart : Where The Wind Things Are ★

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『Where The Wild Things Are』1963 作と絵:Maurice Sendak

今回のBOOK SMARTは『Where The Wild Things Are』

邦題は『かいじゅうたちのいるところ』です。

 

今月のレッスンでも子ども達に読んでいますが、知らない人も少ないのでは?

これまでに世界中で2000万部売られ、昔も今も人気の児童絵本です。

2010年にはスパイク・ジョーンズによって映画化もされています。

1963年に発刊され、最も優れたアメリカの児童絵本に送られる

コールデコット賞を受賞しています。

本の表紙にもメダルのシールが貼られていますね。

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さて内容はというと、オオカミの格好で遊んでいたマックスは

いたずらをしてお母さんに叱られ、夕食ぬきを言い渡されてしまいます。

1人ぼっちの部屋は暗くなり木々が茂り始め、海も現れたとき

マックスはボートに乗ってWILD THINGSを探しに航海に出ます。

そして彼が出会ったWILD THINGSとは… あとはもうお分かりですね。

 

この本の魅力的なところは、抽象的なのに不思議と想像力の広がるストーリー、

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そして、

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やはり何といっても、この絵でしょう。

元々はイラストレーターであった作者のセンダックは、絵本の挿絵の仕事をきっかけに

自らも本を執筆していくことになります。

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うーん!このタッチ、WILD THINGSです!

当時は絵のあまりのグロテスクさに大人が「野蛮で子どもに良くない」と

批判が多かったそうですが、逆に子ども達からの評価が高く今に至っているそうです。

 

ちなみに日本語版の発行にあたり、この「WILD THINGS」の世界を表現することに

難航したそうです。

いま出ている邦題は「かいじゅうたちのいるところ」ですが、1966年に出た

当初は「いるいるおばけがすんでいる」というタイトルで、文章が七五調の短文に

なっており、監修者が5人もいたようです。

その監修委員の中に三島由紀夫やハル・ライシャワーが名を連ねていることは

知る人ぞ知るといったところ。国立図書館には蔵書として残っているようです。

ちょっとそちらも読んでみたいですね。

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