★ Book Smart : Grover Goes to School ★

KODAK Digital Still Camera

by Dan Elliott, Published by Western Publishing Company, Inc.  in 1983

 

夏休み最終週の今回は、Back to Schoolがテーマのこちらの本を紹介します。

Back to Schoolとは「学校に戻る」いわゆる新学期スタートのこと。

 

日本の新学期は4月からですが、アメリカは3ヶ月ほどの長い夏休み明けの8月末に

新学期が始まります。

この本は、そんな新学期を迎えた『SESAME STREET』のグローバーが主人公です。

 

KODAK Digital Still Camera

新学期初日、早起きし太陽が昇る前に準備をすませたグローバー。

今日からキンダーガーテン(年長。アメリカでは年長から義務教育が始まります)です。

靴ひももいつになく丁寧に結び、新しい生活に期待と興奮をかくせません。

KODAK Digital Still Camera

教室では担任のレスター先生がクラスのみんなにあいさつをしました。

いっぱい友達ができるといいなあ。グローバーの心はわくわく。

 

学校ではいろんな活動があり、グローバーも楽しそう。

そんな中、クラスメイトが自分の壊れたトラックとグローバーの新しいクレヨンを

交換しようと提案してきました。

 

「え!僕は自分の新しいクレヨン使いたいのに・・・」

自分の気持ちとは裏腹に、新しい友達に嫌われたくなくてグローバーはしぶしぶ

OKしてしまいます。

しかし、これが頼まれごとオンパレードの始まりでした。

KODAK Digital Still Camera

おやつの前に後片付け。でも心優しいグローバーはみんなの分の片付けをやりました。

最後におやつのお皿にかけつけた時、もう何ものこっていませんでした。

KODAK Digital Still Camera

「やあ、君のそのランチおいしそうだね。僕のボロニアサンドと交換しようよ」

 

 

 

 

 

実はグローバーはボロニアサンドが苦手。でも、それをうまく表現することが出来ませ

ん。しぶしぶ自分のジャムサンドと交換します。

KODAK Digital Still Camera

ランチのあとは外で遊びます。この時もみんなでする長なわとびのなわを回す係に頼まれ

自分は飛びたいのに「オーケー」としぶしぶ引き受けます。

回しながら、本当は自分も飛ぶはずなのに。。と悲しくなって涙がでてきました。

KODAK Digital Still Camera

そして、我慢がたまって爆発しました。

自分がしたいことが出来ず、他の子にじゃまされたと思い、自分の気持ちを整理できずに

大泣きしてしまいました。

 

「グローバー、どうして泣いてるの?」とモーリーが気づきました。

KODAK Digital Still Camera

「ボロニアサンドもなわとびを回す役も、ボロいトラックもいやだ!!!」

やっと自分の中でくすぶっていた気持ちを吐き出すことが出来たグローバー。

ローリーは新しい遊びにグローバーを誘います。

2人はジャックスというゲームをすることに、でもローリーはやり方を知らないので、

グローバーが教えることになりました。

お友達に教える楽しさを知り、グローバーはいつの間にか笑顔に戻っていました。

KODAK Digital Still Camera

その後も交換しようよ!と別のクラスメイトから声をかけられましたが、今度は

「NO!僕は自分のが使いたい」と正直に言うことができました。

しかもクラスメイトは全く怒ってはいません。

「そうか!断ってもいいんだ!」

はじめての学校生活で、グローバーは新しい友達ができ、そしていろんな学びが

ありました。

 

なかなか描写的かつ、ハートウォーミングなお話で、大人でもホロリとさせられます。

人に嫌われたくなくて自分の気持ちとは逆になんでもOKし、結果損をしてしまう、

なんだか思い当たる話ではないでしょうか。

 

アメリカの子供も日本の子供も、学校では勉強だけでなく人間関係も学びます。

ヒヤヒヤしながらも大人はかげながら、小さな子供が自力で学ぶ成長を応援したい

ですね。